2011-04-13

意思を表示するということ

臓器移植法が改正されてから、初めて15歳未満で法的脳死と判定された少年からの臓器摘出手術が行われました。私はこの少年のご家族の決断に胸がいっぱいになりました。これをきっかけに、意思表示カードがもっと普及してほしいと思います。

通っていた中学に、重い心臓疾患で移植を待つためにアメリカへ渡った男の子がいました。びっくりするぐらいのお金が必要で、募金活動が学校ぐるみ地域ぐるみで行われました。その男の子は、アメリカへ渡ってしばらく経った頃に移植を受けたのだけど、残念ながら日本へ帰国する前に亡くなってしまった。母にその事を伝えると、「亡くなったのは残念だけど、移植が受けられたんだから、それだけでも幸運なことだよ」と言った。ある先生は「14年で命が終わるって考えてみたら、本当に悲しい」と言った。今、思い出してもあの日のことは、何ともいえない気持ちになります。

その男の子がきっかけで、自分なりに臓器移植のことを考え、16歳になってすぐに意思表示カードを持ちました。父には反対されているけど、家族にも伝えています。

カードを持っていない人に知ってほしいのは、このカードは「臓器を移植する意思を表示するもの」だということ。提供したくないと思うのなら、 その欄にマルをつけます。心臓停止した場合に限ると思うのなら、その欄にマル。この意思表示が、迅速な対応につながります。

臓器提供には様々な意見があります。法改正によって15歳未満での提供も可能となりましたが、虐待の有無などの問題もあります。脳死についての正しい知識が広まっていないようにも感じます。そして命に関わるとてもデリケートなことです。 もし、私が脳死状態になった時に、家族を悲しませてたくさん悩ませることになるでしょう。だけど、誰かの命に役立つのだったら、私は提供したい。移植という望みがあるのに叶わない人たちが、無事に助かってほしいと思います。

意思を表示するということ。とても大切なことだと思います。カードがもっと普及しますように。

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