2010-10-28

「精神」

岡山県にある精神科診療所で撮影されたドキュメンタリー。

モザイクもなし、音楽もなし、ひたすら診療所での日々や患者の方々を切り取って、現実そのものを映し出している。 赤裸々すぎて心が痛くなる。涙が出る。そして、クレジットで息を呑む。びっくりするような衝撃的なシーンはないけど、最初から最後まで真実しか見えない、このドキュメンタリー全体が深い衝撃を与えるものなのだと思った。

これを観て、「何だ健常者と変わらないじゃないか、普通に会話ができるし、意味不明なことを言ってるわけじゃないし」と思う人もいるはずです。それは、特典映像で出演された患者の方がおっしゃってるんだけど、「あれは人前に出て話すことができるぐらい、大丈夫な時だから」 だからこそ「本当に辛い時がどんなものか、もっと踏み込んでほしかった」ともおっしゃってるんですが・・・ それはそれでもっと見ごたえのあるものになったかもしれない。でも、そこに踏み込んでしまったら、きっといわゆる「健常者」との壁がはっきりしてしまう、つまり、ありきたりの今までも存在していた偏見が生まれてしまうんだろうと思う。私には、踏み込もうとしなかった(踏み込めなかった?)視点に監督の優しさが見えた。

健常者との境は紙一重かもしれない。だけど、やっぱりその差は確実にある。どうして心が痛くなって涙が出るのか、それは、同情でも共感でもなく、境目がはっきりと見えてしまうからだ。

とても辛い気持ちになるけれど、素晴らしいドキュメンタリーです。

しかし、著名人コメントにある福島みずほのコメントがアホくさい、政治家ってムカつく人種だわ、やっぱり。濁りまくった腐りきった眼で映画観たんだろうな、バカバカしい。

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