2010-07-02

women and country / Jakob Dylan


The Wallflowersのフロントマン、Jakob Dylanのソロ2作目。とっても味わい深い魅力にあふれた、素晴らしい作品です。しっとりとした熟成された音の広がり、何ていうか、何十年も使い込まれて滑らかでしっかりとした木の家具のような色合いが見えてきて、でも現代を生きる息吹がちりばめられている。

少しダークで内省的に感じた前作(もちろん最高!)に比べて、リラックスしたような印象。私はずっと彼の魅力的なボーカルと素晴らしいメロディセンスの大ファンなのだけど、
ここ最近はグッと深みが増してきた。肩に力を入れずのびのび、音と流れていく姿、本当にかっこいいです。

このアルバムは、彼のルーツをより掘り下げて見つめなおして生まれてきたんだと思う。アメリカに流れるロックの遺伝子を抗うことなく束ねて、深い愛情でもってクリエイションしたのが、伝わってきます。最新の流行や斬新さはないけれど、あたたかく大切に紡がれたひとつひとつの音に、眼を閉じて触れる幸せ。

父親がボブ・ディラン、というのは彼にとって大きい十字架かもしれない。だけど、それはもうずっと前に吹き飛んでいるし、彼の才能がこのように円熟していくのをずっと聴いていると、そんな下世話なものは素晴らしい音楽の前では何も関係がないということを実感します。


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